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Iruca Log

東京で暮らすWeb系エンジニアが日々感じたこと

『若者はなぜ3年で辞めるのか? - 年功序列が奪う日本の未来 - 城繁幸/著』を読んで

読書

irucaです。下記の本を読みました。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 城繁幸 | 光文社新書 | 光文社

成果主義を取り入れ始めた企業が増えたものの、今なお日本企業に根強く存在している「年功序列」という制度。どれだけ成果をあげたとしても、このピラミッド構造を年齢を無視してキャリアを駆け上がることが難しい。
とはいえ文句も言わず、年齢が上というだけの成果を上げない社員達を食わせながら必死に何年も頑張ったところで、果たして自分が30台40台の年齢となったときに一定の高いポジションが確約されているのかと言えば、そんな「企業が成長し続けること」を前提としたレールはもう存在しない。
そもそもやりがいのある、頭を使う仕事は年齢が上の人間に先に割り振られ、若手社員はつまらない単純作業を任されることで不満を感じながら働いているのです。
本書ではこうした20台の若手社員の多くが抱えるであろう閉塞感の正体を明らかにし、年功序列型の企業で働く者たちに、働く事の意味をもう一度考えてみよと訴えかけています。

 発売から既に約10年が経過していますが、内容として今にも通じるものがありました。私自身も日本の大企業で働いている身分として共感する部分があります。何千万円の仕事をしようとも半期の評価が少し上がる程度で、他の年長者を追い越して出世する事はありません。お前はよくやったと表彰される事もなければ、「そこまでお前がやる必要はなかったけどね」という言葉さえ言う人が居るほどです。やる気にあふれた貴重な20台の社員にとって、これは想像以上にこたえます。

 自分の実力でもっと勝負したい、若いうちからもっと頭の使う大きな仕事をしたい、高い収入を得たいという気持ちの強い人間なら、転職も視野に、もう一度働く意味を考えた方が良いでしょう。

 ただ、つまらない仕事をきちんとこなし続けることの意味も無視してはいけません。その意味は、周囲の人間からの信頼を得る点にあります。仕事をする以上、必ずつまらない単純な仕事というものは出てきてしまいます。ラーメン屋を開いていれば必ず皿洗いの仕事が必要となるのです。もちろんお皿を食器洗い機にかけることでその仕事を自動化して最小化するような事には賛成です。ただ、まだ業務知識の少ない若手社員につまらない仕事が多く回ってきてしまう事はある程度仕方ないことと言えるでしょう。最初だけでもそうした仕事を黙ってこなすことで、周囲の人間は自分がどう仕事をこなすかを、どう工夫するのかを嫌でも見ることになります。1年もそうした仕事をやっていれば、周囲は必ず「こいつは確実に仕事をこなしてくれる奴だ」と信頼し、困ったときに必ず自分を頼ってくれるようになる。他の人が困るほどつまらない仕事も回ってくるかもしれませんが、面白い仕事だって必ず回ってくるはずです。今「仕事がつまらなすぎる」と苛立っている人も、もう少しだけ、確実に仕事をこなしてみるという事を心がけてみるのはどうでしょう。

 社会人になって3年が経って、自分自身今の仕事に疑問を感じて転職を考えながらも、つまらない仕事をこなそうとせず不満ばかり言う新人を見ながらふと思ったことを、この本を読んで改めて思い出しました。